〈活動実績3〉

GNSSデータを用いた歪計測研究予知システム(千葉大学様)

日本では大規模地震が頻発しており、地震災害の軽減には地殻のひずみや応力を高精度に検出する必要がある。現在、全国にひずみ計やGNSS観測点が設置され、地殻変動の監視に活用されている。本研究では、GNSSデータを利用して擬似的な4成分ひずみ計を開発し、M7クラス地震の前兆的な地殻変動を検出する手法を確立する。

過去の地震データを解析し、ひずみ変動の時空間特性を統計的に評価するとともに、リアルタイム予測に向けた解析ソフトウェアの開発を目指す。

さらに、既存のひずみ計データとの比較や地殻応力変化との関連性を検討し、地震予測の社会実装に向けた基盤構築を進める。

GNNSによる地盤移動と地震学による分析予想

研究開発の背景

2011年東北地方太平洋沖地震や2016年熊本地震のような甚大な被害をもたらす地震が毎年のように発生している。 地震は地殻内の応力集中による破壊 現象であり、 地震災害の軽減には、地殻応力やひずみの異常変動の精度良い検出が必要である。 そのために、 日本全国にはひずみ計観測 (約70ヵ所)や頼 斜計観測 (約50ヵ所)が整備されている。 気象庁の南海トラフ地震に関連する情報発信には、 東海 近畿 四国地域に設置された39点のひずみ計データが 用いられる。 一方、 全国に約1300点のGNSS観測点が整備運用され、 地殻変動を検討する地表変位データとして使用されている。 そこで、本研究課題で は、 GNSS観測データを用いた疑似的な4成分ひずみ計を考案し、 M7クラスの地震の前兆的な地殻変動を精度よく検知する手法を開発し、 GNSSデータ を活用した地殻変動予測研究の新展開をはかる。 具体的には過去のM7クラスの被害地震の際のGNSSデータを解析し、 特にひずみの地震前兆的変動を 精度に検出する方法を事例解析的に検討し、その有効性を調査する。 さらに、 統計解析によりひずみの地震前兆的変動の時空間特性を把握し、 全国展開 の可能性やリアルタイム予測に資する解析ソフトウェア基盤の整備とその検証を行う。 疑似ひずみ計近傍の既存ひずみ計データとの比較や同化の可能性 や地殻応力変化に起因する観測量などとの比較検討も実施し、地震活動予測情報発信の社会実装に向けた基盤構築のための研究を実施する。

GNSS疑似4成分ひずみ計の原理と概念図

観測点

分析対象地震例

解析結果例

(1)新たに解析するM7クラスの地震である岩手県内陸南部地震の場合に、相関値により前兆現象と判別 方法ができるかを2024および2025年度に行った熊本地震 東北地震、 新潟中越沖地震を参考にし、調査した。

.(2)地震前6か月から発生時間までの異常現象の発現時間 検知観測点、 異常強度分布を表1に示す。 これまでの解析では、5か月までとしているため、 当該図では比較し易くするため第一か月の彩色を薄くしている。